滋賀県守山市、琵琶湖のすぐそばにある第1なぎさ公園。

湖岸沿いを歩いていると、ふと目に留まる場所があります。

砂地の中に小道が伸び、その周りで何人かの人がしゃがみ込み、草を抜いたり、ゴミを拾ったりしていました。

その先にあったのが、大きく書かれた「よみがえれ!!」の文字。

ここは、湖岸に咲くハマヒルガオの群生地です。

観光地として華やかに紹介される場所ではないかもしれません。

けれど、この風景は自然に残っているだけではありません。地域の人たちが手をかけ、長い時間をかけて守り続けている場所なのです。

今回は、第1なぎさ公園周辺で見つけたハマヒルガオと、その景色を支える地域の活動について紹介します。

第1なぎさ公園のそばに残るハマヒルガオ

ハマヒルガオは、海岸や湖岸などの砂地に生える多年草です。

初夏になると、淡いピンク色の可愛らしい花を咲かせます。

名前に「浜」と付くように砂地などの環境に適応した植物で、地面を這うように茎を伸ばして育っていきます。

琵琶湖は海ではありませんが、守山市の湖岸には砂浜のような場所があり、こうした環境の中でハマヒルガオを見ることができます。

花そのものは決して大きくありません。

それでも琵琶湖を背景に、砂地から小さなピンク色の花が顔を出す姿には、どこか守山の湖岸らしい素朴な美しさがあります。

地域の人たちが輪番で守っている場所

このハマヒルガオの群生地は、自然のまま放置されているわけではありません。

地元学区の自治会やボランティア団体などが輪番で管理し、草刈りや清掃といった活動を続けています。

私が訪れた日にも、帽子をかぶった方々が湖岸で作業をされていました。

一見すると、何気ない清掃活動のようにも見えます。

けれど、こうした地道な作業の積み重ねが、ハマヒルガオが育つ環境を支えています。

草を取り除く。

ゴミを拾う。

周囲の環境を整える。

一つひとつは小さな作業ですが、それを毎年続けていくとなれば簡単なことではありません。

誰かが手をかけ続けているからこそ、今の風景があります。

かつてはハマヒルガオがほとんど見られない時期も

現在は群生地として守られているこの場所ですが、ずっと今のような状態だったわけではありません。

かつては雑草に覆われ、ハマヒルガオがほとんど見られない時期もありました。

そこから地域の人たちが手入れを重ね、少しずつハマヒルガオが見られる環境を取り戻してきました。

現地に掲げられている、

「よみがえれ!!」

という言葉。

実際の経緯を知ると、この短い言葉の印象も変わってきます。

単なるキャッチコピーではなく、「もう一度、この場所にハマヒルガオを」という地域の思いが込められた言葉のように感じます。

「よみがえれ!!」の先にある風景

自然というと、「人が手を加えない方がいい」と考えることもあります。

しかし、身近な自然の中には、人が適切に関わり続けることで守られている環境もあります。

このハマヒルガオの群生地も、その一つなのかもしれません。

雑草を取り除き、ゴミを拾い、植物が育ちやすい環境を整える。

そして次の人へと活動をつないでいく。

一度きれいにすれば終わりではありません。

翌年も、その次の年も手を入れる。

そうして受け継がれてきた結果が、今、私たちが見ている湖岸の風景です。

ハマヒルガオだけではない、琵琶湖と比良山系の景色

この場所を訪れたら、ぜひハマヒルガオだけでなく周囲の景色にも目を向けてみてください。

目の前には琵琶湖が広がり、その向こうには比良山系を望むことができます。

晴れた日は青い空と湖。

風の強い日は波立つ湖面。

雲の多い日は少し灰色がかった琵琶湖。

同じ場所でも、訪れる日によってまったく違う表情を見せてくれます。

ハマヒルガオが咲く初夏には、湖岸を吹く風も心地よく、散策するだけでも気持ちのいい季節です。

小さな花の向こうに大きな琵琶湖が広がっている。

その組み合わせも、この場所ならではの風景だと思います。

訪れるときは、そっと見守りたい

ハマヒルガオは、砂地に根を張って育っています。

群生地を訪れる際には、植物が育っている場所へむやみに入り込まず、決められた場所から観察したいところです。

写真を撮るときも同じです。

「もう少し近くから撮りたい」と思うことはありますが、地域の方々が時間をかけて守ってきた場所です。

花を傷つけたり、群生地を踏み荒らしたりしないよう、少し離れたところから楽しむ。

それだけでも十分、この場所の魅力を感じられると思います。

第1なぎさ公園周辺へのアクセス

ハマヒルガオの群生地は、守山市今浜町の第1なぎさ公園周辺にあります。

JR守山駅から公共交通機関を利用する場合は、湖岸方面へ向かうバスを利用できます。

車の場合は、守山市街地から琵琶湖方面へ向かい、琵琶湖大橋東詰周辺を目指すと分かりやすいでしょう。

なお、駐車場やバスの運行状況などは時期によって変更される可能性があります。

特に花の見頃や観光シーズンに訪れる場合は、事前に守山市などの最新情報を確認しておくことをおすすめします。

何気ない地域の風景を残していきたい

第1なぎさ公園周辺というと、菜の花やヒマワリ、そして琵琶湖と比良山系を望む景色がよく知られています。

でも、そのすぐ近くには、こうして地域の人たちが長年守っている小さな風景もあります。

今回、湖岸で作業されている方々の姿を見て、改めて感じました。

普段何気なく見ている地域の景色は、決して「当たり前」にそこにあるわけではない。

草を刈る人がいる。

ゴミを拾う人がいる。

植物の状態を気にかける人がいる。

そして、その活動を次の人へつないでいく人がいる。

そんな積み重ねの先に、私たちが普段見ている風景があります。

まとめ|「よみがえれ!!」と守り続ける湖岸の風景

守山市・第1なぎさ公園周辺に残るハマヒルガオの群生地。

かつて雑草に覆われ、ハマヒルガオがほとんど見られなくなった時期を経て、地元学区の自治会やボランティア団体などによる活動によって、少しずつその姿がよみがえってきました。

派手な観光スポットではありません。

大きな建物があるわけでもありません。

でも、だからこそ残しておきたい風景だと思います。

琵琶湖の風を感じながら、小さなハマヒルガオを見る。

そして、その景色の向こうに、この場所を守ってきた人たちの存在を少しだけ想像してみる。

そんな楽しみ方があってもいいのではないでしょうか。

これから何年、何十年と経ったあとにも、初夏になればこの場所にハマヒルガオが咲いている。

そんな守山の湖岸であってほしいと思います。

ABOUT ME
しがのTAKA
滋賀県守山市在住。地域メディア 「しがノオト」 運営者。 「何気ない滋賀の日常を未来へ残す」をテーマに、守山市を中心とした街歩きやカフェ・グルメ、地域のイベント、暮らしに役立つ情報などを発信しています。 また、YouTube 「湖畔ログ」 では、琵琶湖の四季や何気ない風景を映像で記録・配信中。写真や動画、記事を通して、滋賀の魅力を多くの方に届けることを目指しています。 何気ない一日も、未来から見れば大切な地域の記録。 そんな思いを込めて、滋賀の日常を発信しています。