日本のお城、名城を特集したテレビ番組を見ていて、ふと思いました。
わが守山市にはその昔、お城はあったのだろうか?と。そういえば、そんな事はこれまで気になったこともなく、今回ちょっと調べてみることにしました。情報はできるだけ正確にと考えていますが、万一、間違いがあれば随時修正をしていきますね。それでは、どうぞ!
守山市にかつて存在したお城と城跡散策マップ風ガイド
滋賀県守山市には、現在は天守閣こそ残っていませんが、戦国期を中心に城や砦が築かれていたと伝わります。現地で確認できる明瞭な遺構は限られており、史料も郷土史や伝承に依拠する部分が少なくありません。そのため、本ガイドでは**「〜と伝わる」「〜とみられる」**等の表現を用いて、確度に配慮しています。
城跡そのものの保存状況は必ずしも良好ではありませんが、地名・古道・微地形・案内表示などから当時の面影を読み解くことができます。加えて、各地点の周辺観光やグルメは「近隣の立ち寄り先」であり、城跡と直接の関係は必ずしもありません(徒歩圏や車で短距離の場合を含みます)。
⚠️ 見学の際は私有地や学校敷地を含む場合があります。立ち入り可否・マナー・安全に十分ご配慮ください。
1. 守山城(もりやまじょう)
- 築城主:森可成(織田信長の家臣)と伝わる
- 築城時期:戦国時代(16世紀ごろとみられる)
- 場所:守山一丁目周辺(現・守山小学校付近とされる)
- 特徴:琵琶湖東岸の要衝に位置し、京へ向かう交通路を監視したと考えられます。森可成の戦死後は荒廃・廃城となったとされます。守山城は織田軍の近江支配において重要な意味を持ち、浅井・朝倉氏や六角氏の動向をにらむ拠点だったとも言われています。また、城があったことで周辺には町場が形成され、地域の経済や文化にも影響を与えたと考えられています。
- 見どころ:遺構はほとんど残っていませんが、「城ノ内町」「古城町」などの地名が名残を伝えています。周辺には城跡を示す石碑が設置されており、散策中に目にすると戦国時代の名残を感じ取れます。さらに、近くを流れる野洲川や琵琶湖との関わりを意識しながら歩くと、当時の立地戦略を実感できます。
- 周辺スポット(立ち寄り):守山宿の雰囲気を伝える「守山宿・町家うの家」、地元名物の「うなぎ料理」に加え、周辺には和菓子店や地酒を扱う商店もあり、歴史散策の合間に地域の食文化を味わえます。春には桜並木、夏には琵琶湖の涼風、秋には紅葉、冬には温かいうなぎ料理と、四季折々の魅力を楽しめます。※城跡との直接の関連は未確認。
- 最寄りアクセス:JR守山駅から徒歩約10分。駐車場は近隣の有料パーキングを利用。駅からの道中は商店街を通るため、歴史散策と同時に地元の町並みを体感できます。
2. 小津城(おづじょう)
- 場所:守山市小津町周辺
- 築城時期:室町末期〜戦国期と伝わる
- 特徴:土豪・小津氏の居館とされ、地域支配の拠点だった可能性があります。規模は小規模であったと考えられますが、土塁や堀を備え、領内の統治や防衛に用いられたとみられます。明瞭な遺構は残っていないものの、古地図や郷土史の記録にその存在が確認され、守山地域における土豪支配のあり方を知る手掛かりとなります。小津城は、周囲の農村と密接な関係を持ち、農業生産を基盤とした領域支配を行っていたと推測されます。
- 見どころ:古地名や案内板を手がかりに歴史を感じることができます。現地を歩くとわずかな地形の高低差や不自然な区画を見つけることがあり、これらがかつての城郭の名残ではないかと考えられています。また、地元の郷土史会によって紹介される資料や解説もあり、散策前に確認しておくと理解が深まります。
- 周辺スポット(立ち寄り):第一なぎさ公園(琵琶湖畔の花畑)、守山市街のカフェに加え、季節によっては近隣で直売される新鮮な野菜や果物を楽しむこともできます。地元の人々が利用する和菓子店やパン屋など、日常の食文化を味わうことも旅の魅力の一つです。※城跡との直接の関連は未確認。
- 最寄りアクセス:JR守山駅からバスで約15分「小津」停留所下車。駐車場は公園利用可。散策の際は公園を拠点に徒歩で周辺を歩くのがおすすめで、春や秋には季節の花と歴史探索を同時に楽しめます。
3. 今宿城(いまじゅくじょう)
- 場所:守山市今宿町
- 特徴:戦国期の小規模な城館と伝えられる。土塁や堀跡があったとされますが、現在は住宅地化しています。規模は大きくなく、地域の土豪が自衛や集落統治のために築いたと考えられます。史料は少ないものの、古地名や伝承によりその存在が伝わり続けており、守山市の歴史を物語る一要素です。今宿は古くから交通の要衝でもあり、城館は往来の監視や宿場的機能を支えた拠点であった可能性があります。
- 見どころ:城跡碑や地形の段差から往時を想像できます。周囲を歩くと、不自然な段差や区画整理の名残から、城郭があったとされる痕跡を感じ取ることができます。さらに、郷土史資料や地元住民の証言を重ね合わせることで、よりリアルに当時の姿を想像できるでしょう。住宅地化されているため遺構の保存状態は限定的ですが、静かな町並みの中で過去をしのぶ散策が楽しめます。
- 周辺スポット(立ち寄り):佐川美術館では現代美術や茶室建築を楽しむことができ、琵琶湖畔のレストランでは湖魚料理や地元食材を味わえます。加えて、近くには守山の直売所もあり、散策後に地元の農産物や特産品を購入するのもおすすめです。※直接の関連は不明。
- 最寄りアクセス:JR守山駅から徒歩約20分、またはバス「今宿」下車。駐車場は周辺商業施設を利用。駅からは平坦な道が多く、散策しながらアクセスできるのが魅力です。
4. 河西城(かさいじょう)
- 場所:守山市河西町
- 特徴:佐々木六角氏に関連する拠点と伝わる。比較的小規模な平城で、防衛ラインの一部を構成していた可能性があります。戦国時代には周辺の村落や農地を監視する役割を担っていたとされ、緊急時には住民の避難場所や兵の詰め所としても機能したと考えられます。織田信長の近江進出以降、六角氏の勢力が衰えるとともに自然に役割を失い、やがて廃絶したとみられます。
- 見どころ:現地で明瞭な遺構を確認するのは難しいですが、古地名や郷土資料が手掛かりになります。周辺の地形にわずかに残る高低差や地割から、かつての城館の存在を推測することができます。地元の郷土史会の資料や市史を参照すれば、河西城に関する伝承や記述を知ることができ、散策前に情報を得ておくと現地での理解が深まります。
- 周辺スポット(立ち寄り):びわこ地球市民の森では四季折々の自然散策が楽しめ、道の駅では新鮮な地元農産物や軽食を購入できます。散策と合わせて立ち寄ることで、歴史探訪に自然と食文化を組み合わせた一日を過ごすことができます。※直接の関連は不明。
- 最寄りアクセス:JR守山駅から車で約10分。駐車場は市民の森を利用可能。公共交通機関利用の場合はバス路線が限られるため、事前に時刻表を確認すると安心です。
守山・お城跡めぐりの楽しみ方
- ウォーキングコース:守山駅を起点に守山城跡や今宿方面を巡ると、地名や案内板に出会えます。さらに小津町・河西町へ足を延ばせば複数の城跡を網羅可能です。コースは駅周辺の市街地散策から郊外の自然歩道に移り変わり、変化に富んだ道のりになります。所要時間は半日程度ですが、途中で休憩や観光を組み合わせれば一日をたっぷり楽しめます。
- 歴史と地名:城跡の名残を伝える地名を探すのも魅力です。「城ノ内」「古城」「小津」などは当時をしのばせます。古地図や郷土資料と照らし合わせると、なぜこの地形に城が築かれたのかが理解でき、散策の深みが増します。地元の方との会話で昔話を聞けることもあり、地域文化に触れるきっかけになります。
- 資料館や郷土史:守山市民交流センターや市立図書館で郷土史資料を閲覧できます。訪問前に調べておくと理解が深まります。中には城跡に関する古文書や地元研究会の冊子が公開されている場合もあり、事前学習や現地確認と組み合わせることでよりリアルに戦国期の姿を感じられるでしょう。子ども向けの歴史体験イベントが開催されることもあるため、家族での学びにも役立ちます。
- 観光とグルメ:途中で琵琶湖湖岸散策や神社仏閣に立ち寄り、地元のカフェやベーカリーで休憩。守山メロンのスイーツや湖魚料理もおすすめです。春は菜の花、夏は琵琶湖の水遊び、秋は紅葉、冬は温かい郷土料理と、四季ごとに楽しみ方が変わります。散策後は地元の温泉施設に立ち寄れば、歩き疲れた体を癒すこともできます。
まとめ
守山市の城跡は、史料や伝承に基づくものが多く、現地で明確に遺構を確認できる場所は限られています。しかし、わずかに残る地名や地形、古道や古文書などを手掛かりに歩くことで、当時の戦国期の雰囲気を少しずつ感じ取ることができます。実際に現地を訪れると、過去と現在が重なり合うような感覚を覚えるでしょう。さらに、散策の合間には地域の神社や仏閣、琵琶湖畔の自然景観、そして地元ならではの食文化を楽しむこともでき、歴史探索と観光体験を一度に味わえます。例えば守山メロンを使ったスイーツや湖魚料理は、歴史散策後の休憩や食事にぴったりです。こうした複合的な楽しみ方は、子どもにとっては学びの機会に、大人にとっては歴史ロマンを味わう時間となり、家族全員で共有できる小旅行へと広がっていきます。守山市のお城跡めぐりは、地域の新しい魅力や隠れた歴史を発見するきっかけとなり、訪れるたびに新しい発見があるはずです。