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滋賀発祥の「とびだし坊や」とトビ太くんとは?全国に広がる交通安全人形と観光スポットの魅力

こんにちは。先日、Netflixで「翔んで埼玉 琵琶湖より愛をこめて」を見ました。個人的にはGacktさんが滋賀へ向かうときに、逃走用の資金として、平和堂の「HOPカード」を手渡すシーン、ここが一番好きです。が、インパクトに残っているのは、やっぱり「とびだし坊や」でした。滋賀勢の勢力が少ないのを「坊や」を立ててカバーするところ、かなり好きだったし、インパクトがありました。ということで、とても気になったので、とびだし坊やについて調べてみました。ちなみに、ごく最近まで僕は「とびだしボーイ」と誤って呼んでました。

滋賀県が生んだ交通安全人形

滋賀をドライブしていると、道路脇に黄色い服を着た子どもの人形が立っているのをよく目にします。これが「とびだし坊や」です。一見するとユーモラスで愛嬌のある姿ですが、じつは子どもが道路へ急に飛び出す危険をドライバーに警告するための重要な存在。滋賀県東近江市(旧・八日市市)が発祥の地とされ、1973年(昭和48年)に初めて設置されました。当時は交通事故、とくに子どもが巻き込まれる事故が多発していた背景があり、「子どもの飛び出しを減らしたい」という地域住民や行政の切実な願いが込められていました。その思いを受け、地元の看板屋「久田工芸」が工夫を凝らして製作し、実際に道路沿いへ設置したところ大きな反響を呼びました。子どもが飛び出す姿を模したシルエットは、ドライバーに直感的な注意を促す効果があり、やがて滋賀県内全域へと普及。さらにそのインパクトの強さから徐々に全国へも広がり、今ではご当地色の強いバリエーションまで誕生するほど、交通安全運動を象徴する存在となっています。

「とびだし坊や」と「トビ太くん」の違い

  • とびだし坊や
    交通安全人形の総称であり、滋賀を中心に全国へと派生していった歴史を持ちます。滋賀県内では町内ごとに独自のデザインが作られることも多く、地元の小学校やPTAが製作に関わった例もあります。そのため同じ「坊や」でも表情やポーズが微妙に異なり、地域色が色濃く反映されています。忍者やゆるキャラ風、さらにはスポーツ選手や歴史上の人物をモチーフにしたものまで登場し、コレクション的に写真を撮り歩くファンもいるほどです。とびだし坊やは単なる注意喚起の看板にとどまらず、地域住民の安全意識を高める象徴として受け継がれています。
  • トビ太くん
    八日市生まれのオリジナルキャラクターで、黄色いシャツと赤いズボン、黒髪で横向きに走るポーズが特徴です。その素朴で力強いシルエットは全国的にも知名度が高く、「とびだし坊や」の中でも最も有名な存在として位置づけられています。現在では滋賀県内の観光ポスターやお土産グッズに採用されることもあり、ただの安全人形を超えてご当地キャラのような扱いを受けています。近年ではアニメ風のリデザインや女の子版の“トビ子ちゃん”も登場し、世代を越えて親しまれるキャラクターに成長しました。

つまり、「とびだし坊や」という大きなくくりの中に、代表格として「トビ太くん」があり、その存在がブランド化して滋賀県を象徴するシンボルになっている、という位置づけです。

全国に広がる“飛び出し文化”

現在では、滋賀だけでなく全国各地にご当地版のとびだし人形が設置されています。

  • 忍者姿の「忍者坊や」(三重県伊賀市)
  • ご当地キャラやアニメキャラ風にアレンジされた坊や
  • 女の子バージョンや高齢者バージョンまで

その種類は年々増えており、地域によっては地元の観光資源として積極的に活用されるケースも見られます。例えば商店街が協力して独自デザインの坊やを制作し、街歩きの楽しみを演出しているところもあります。またイベントや祭りにあわせて特別版のとびだし人形が登場することもあり、訪れた人々を楽しませています。こうした多彩なアレンジは、その土地ならではの文化やユーモアを反映しているため、旅行者にとってはちょっとした発見や話題のきっかけになります。SNS上では「レアな坊やを見つけた!」と写真を投稿する人が増え、マニアの間では“とびだし坊や探訪”を目的に旅をする人まで現れるほど。単なる交通安全の目印を超えて、観光と趣味の対象にまで広がりを見せているのです。

観光客にも人気の“映えスポット”

「トビ太くん」は交通安全のために生まれた存在ですが、今では滋賀観光の“映えスポット”としても注目されています。琵琶湖周辺や市街地を歩いていると、住宅街の角や横断歩道の近くなど思わぬ場所に現れるので、観光の合間に探してみるのも楽しみのひとつです。特に観光客にとっては、地元ならではの風景と一緒に写真を撮るユニークな対象となり、旅の記録としても人気があります。SNSでは「トビ太くん見つけた!」と投稿する旅行者も多く、ハッシュタグを付けてシェアされることもしばしば。なかには複数の種類を撮り歩いてコレクションする人や、位置情報をまとめて“トビ太マップ”を作る愛好家もいます。こうした盛り上がりは地域活性化にもつながり、滋賀を象徴する風景のひとつとして全国的に認知が広がりつつあるのです。

実際のエピソード:破損してしまうことも

先日、僕が見かけたとびだし坊やは、おそらく何かが接触して、破損していました。ひょっとするといたずらの可能性も(涙)坊やの腰の部分から真っ二つに折れて、下半身だけが電柱にくくりつけられるという悲しい状況。それ以外でも、長年設置されているため、台風や積雪、さらには小さな衝突事故などの影響で傷んでしまうこともあり、地域の人々が修繕や補強を行うケースも少なくありません。ときには「もう寿命だから新しいものに取り替えよう」と自治体や町内会で話し合いが行われることもあります。地元の人々にとっては当たり前の風景でも、こうした劣化や破損の姿を見ると「交通安全の大切さを改めて考えるきっかけ」になるのかもしれません。

まとめ

  • とびだし坊や:交通安全人形の総称。全国各地に存在し、町の安全を守る“無言の見張り役”として何十年も立ち続けています。その形やデザインは地域によって微妙に異なり、まるでご当地キャラクターのように個性豊かです。
  • トビ太くん:滋賀県東近江市で生まれた元祖キャラ。黄色シャツ+赤ズボンの代表格で、オリジナルのデザインはシンプルながらインパクトが強く、観光ポスターやグッズにも採用されるほどの人気を誇ります。ご当地色が加わる中でも、やはりトビ太くんは「本家」として圧倒的な存在感を持ち続けています。
  • 今では全国にご当地版が登場し、忍者風やゆるキャラ風、さらには女の子版や高齢者版まで幅広く展開。観光客からも「見つけると嬉しい」と話題になり、旅行のちょっとした楽しみのひとつになっています。
  • 実際には破損しているものもあり、腕や足が欠けてしまっている姿を見ることも。そんな姿すらも地域の日常の風景に溶け込み、交通安全を見守り続けている証として地元の人に親しまれています。定期的に塗り直されたり、新調されたりと、地域住民の愛情と努力によって守られているのです。

滋賀に来たら、ぜひ道路脇を注意して見てみてください。あなたの前に「トビ太くん」が現れるかもしれませんし、その存在が滋賀の街並みをより印象深くしてくれることでしょう。

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はじめまして、TAKAです。 滋賀県守山市に住む、50代の自営業。妻と小学生の娘、そしてプードル×マルチーズの「のあ」と暮らしています。 このブログ「しがノオト」は、僕自身の暮らしや気づき、地域のこと、趣味の滋賀レイクス、そして家族との日々を綴る“僕コンテンツ”ブログです。 若い頃から「何かを発信したい」と思っていながら、日々の忙しさに流されてここまで来てしまいました。でも、人生の折り返しを過ぎた今、「今の自分を言葉で残したい」と心から思うようになりました。 この歳だからこそ書けること。守山の風景から、子育て、趣味のレイクス、そしてちょっとした心の声まで。 いつか、誰かの背中をちょっとだけ押せたら、 そんな想いで、日々綴っています。 よろしくお願いします。